195. チョレギとは |
- 【日時】 2007/03/03 02:36
- 【名前】 うにうに
- 以前,エバラから「チョレギサラダ」のドレッシングというのが出ていました。
このチョレギって何だろう,と当時から思っていたので,この機会に調べてみました。
インターネット上で検索してみますと,日本語で説明されたサイトがいくつかみつかりますが,どこもほとんど同じ説明が書いてあります。
「チョレギとは慶尚道の方言で、標準語では『コッチョリ』という。」
どうも出どころは,こちらの記事(コリアうめーや!!メルマガバックナンバー第18号) http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume18.htm および,そこで引用されている新聞記事のようです。
ところが,「チョレギ」や「コッチョリ」をハングルでどう書くのかが,どこのサイトにも書かれていない。何となく満たされない気持です。
コッチョリのほうはすぐに겉절이と分かったのですが,問題はチョレギの方です。 「チョレギ」というカナに当たるハングルは,いろんな可能性が思い浮かびます。 [ㅈ/ㅊ/ㅉ] [ㅓ/ㅗ] [パッチムㄹ+初声ㅇ/初声ㄹ] [ㅔ/ㅐ] [パッチムㄱ/初声ㄱ] [ㅢ/ㅣ] これらを機械的に掛け合わせると,3×2×2×2×2×2=96通り。 もちろん,実際にはおよそあり得ないだろうという組み合わせもありますので,ありそうなものをいくつか辞書で引いてみたのですが,さっぱり出てきません。
どこかのサイトに,「発音は「チョリギ」だ」という記述があったような気がしたので,절이다の名詞形の절이기じゃないかなと思って,Yahoo! Koreaで検索すると,なんと,山のようにヒットします。 でも,用例をよく見てみると,배추 절이기 なんてのが多い。これは別に方言ではなく,標準語のごく普通の名詞形にすぎませんね。 そこで,저레기に直して検索してみると…1つだけ見つかりました。 こちらのブログです。 http://kr.blog.yahoo.com/younj12/5927
冒頭に청송 사투리とあるとおり,慶尚北道の青松郡の方言を集めたページです。 ここの上から4分の1ぐらいの所に,「저레기 → 겉절이 」と書かれています。 これなのでしょうか。 ちなみに,国語大辞典には方言もかなり載っていますが,저레기は残念ながら見つかりませんでした。(近い語で「절이-김치」がありましたが,「`겉절이'의 잘못」と書かれていました)
改めて日本語のサイトを探すと,「発音はチョリギ」ではなくて,「発音はチェレギ」と書いてありました。 そこで,そっちから攻めて見ると,ある牧師さんの書いた文章で,こんな説明がみつかりました。 http://www.kidokongbo.com/news/print.php?idxno=35015 「경상도 말도 다 다르다. …… 식당에서 먹는 '겉저리'는 '제레기'라고 부른다.」 やっぱり慶尚道みたいです。
なんだか方言の辞典が欲しくなってきました。
ところで,辞典の説明でも,各サイトのレシピでも,겉절이はどうみても浅漬けのキムチだと思うのですが,なんだかあのドレッシングのCMでは「ちぎりサラダ」の意味に変わってしまっていたのはなぜなんでしょうね。(某ブログには「「チョレギ」は慶尚道の方言で"ちぎる"という意味らしい」とまで書かれていました) まさか,「チョレギ」と「ちぎる」の発音が似ているからだったりして? どうしてあえてこんな方言をドレッシングの商品名に使ったのかも謎です。
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