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298. 地名の発音について
【日時】 2007/10/14 14:24
【名前】 老婆心

韓国語の翻訳と講師をしている者です。
地名の漢字を探す際に利用させていただいています。これまでは日本加除出版の「大韓民国地名便覧」を利用していたのですが、現在手持ちのものは2001年版で最新の変動が反映されていないので、その際にときどき貴サイトを拝見しています。
で、今、ふと地名の発音のカタカナ表記の原則に誤っている部分のあることに気づきましたので報告させていただきます。
通常の韓国語の発音法則では「ニウン」と「リウル」が隣り合うと「リウルリウル」の発音になります。すなわち「山林」は「サルリム」となるわけです。
ところが地名の場合はこの法則は原則として当てはまらず、「イウン」と「リウル」や「ミウム」と「リウル」が隣り合ったときのように後ろの「リウル」が「ニウン」で発音されるのが一般的です。ですからたとえば忠南天安市稷山邑「三隠里」は表記のように「サムルリ」とは発音されず「サムンニ」という発音になります。実際にそんな地名があるかは知りませんが「三千里」も普通名詞なら「サムチョルリ」ですが、もしそういう名前の里であるなら「サムチョンニ」です。イントネーションも前者は平板ですが地名の場合は「里」の部分を若干下げ気味に発音すると地名っぽく聞こえるでしょう。おそらく話していてそれが一般名詞なのか地名なのかがすぐわかるよう、自然発生的に生まれた運用上の工夫なんじゃないかと思います(根拠はありません。たんなる思いつきです)。
この原則の例外としてよく知られているのは釜山市の広安里でこれは「クァンアンニ」ではなく「クァンアルリ」と発音するのが一般的です。ただし地下鉄の駅名は「広安」なので「クァンアン」ですが。

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Re: 地名の発音について ( No.1 )
【日時】 2007/10/14 18:10
【名前】 ハラボジ

「地名の場合は、ㄴ+ㄹの発音が、一般的発音法則の[ㄹㄹ]にならないで、
[ㄴㄴ]になる場合が多い」というご指摘ですね。

確かに、その通りだと思います。
このサイトの韓国地名一覧では、ローマ字表記、カナ表記に間違いがあるのも、
その通りだと思います。

ただ、私は、これは地名に限ったことではなく、
「漢字語であって、ㄴ+ㄹのㄹで始まる漢字が、乱、欄、量、料、里、力、論、
路、令、などの場合は、[ㄴㄴ]と発音される場合が多い」
と理解しているのですが。
例えば、

임진란(壬辰乱)は [임진난]
생산량(生産量)は [생산냥]
횡단로(横断路)は [횐단노]
입원료(入院料)は [입원뇨]

など。

私の覚え違いかもわかりませんので、ご教示いただきたく。
Re: 地名の発音について ( No.2 )
【日時】 2007/10/14 18:57
【名前】 老婆心

ハラボジさま
おっしゃるとおりです。ハラボジさんの挙げられた漢字はいずれも接尾辞である、という共通点があります。つまり接尾辞として使われたときに「ㄴㄴ」と発音されるという法則が成り立つのです。接尾辞とは「壬辰」という年に起こった「乱」、「生産」した「(分)量」、「横断」するための「(道)路」、「入院」にかかる「料(金)」というように他の名詞とくっついて意味をつけ足す役割を果たすものです。そして行政区分を表す「里」というのも同じように接尾辞なのです。
接尾辞でない場合、つまりひとつの名詞の構成要素としてこの漢字が使われたときは、先ほどの「三千里」が「삼철리」と発音されるように「反乱」は「발란」、「分量」は「불량」、「線路」は「설로」という発音で、通常の「ㄹㄹ」の音変化になります。
これは名詞と接尾辞の間に実は目に見えないけれど区切れ目があるから、発音するときは何らかの方法で示そうという考え方なのだと思います。「ㄹ」で始まるもの以外の接尾辞の場合は濃音化というかたちでそれが現れます。「価」「科」「件」「権」「字」「証」「症」など、いっぱいありますよね。濃音化は「궁금증」のように前の語が漢字語でなくても起こります。
またふたつの名詞をくっつけたときも「ㅅ(사이시엇)」を入れたり、前の語にパッチムがあって「ㅅ」を入れられなくても発音が濃音化したりするのも同じように間に区切りのあることを何とか示したかったんだと考えることができます。
(ハラボジと老婆心のやりとりっていうのもなんだか…若い人もぜひご参加を!)

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