Re: 自問自答の答え ( No.1 ) |
- 【日時】 2008/01/26 23:41
- 【名前】 kajiritate webmaster
- ん? 私には意味が…(^^;;;
半母音を表す母音字を使う代わりに, カナの拗音に相当する表記のしかたをハングルも採用すればいい, ということでしょうか???
この点,私は特に現行の表記法に不便は感じていない,というか, むしろよくできているなぁ…と感じています. なにしろ短い棒を1本追加するだけなので, ものぐさの私には特に好都合です!(^^;
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Re: 自問自答の答え ( No.2 ) |
- 【日時】 2008/01/27 01:03
- 【名前】 anne
- ここのHPの母音と子音の説明にある
管理人さんの「自問自答」について 書き込みしたスレですね。
「や」がなぜ母音なのか? 管理人さんの答えがはっきりしてなかったので この方がそれについて答えたって事のようですね?
日本人なら拗音使えばいいってことなんでしょうか? 私にもちょっと答えの意味がわからなかったのですが。。。
それとも。。 ハングルかじりたてのうちは、細かいことには???と思っても あまり気にせずに、そのまま覚えて進んで、 気分で使い分ければいいってことですか? そんな風にとらえてもよろしいかしら?
私はここのHPでまず文字を覚えたのですが、 「ハングル=日本語ではない=外国語」そんな感じで 母音「や」についてはなんとなく納得して、 先に進んだ覚えがあります。
後でどうしても知りたくなったら、調べようと思っていましたが、 ハングルが記号や暗号でなく文字として認識してしまったので、 ハングルでは「や」は母音になった今となっては 特に調べようって気がしなくなってしまいました^^;
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Re: 自問自答の答え ( No.3 ) |
- 【日時】 2008/01/27 15:36
- 【名前】 うにうに
- 「自問自答」というのは,管理人さんがハングルの説明のページ(http://kajiritate-no-hangul.com/kajiritate3.html)で,書かれていた
●「ア」が母音なのはいいとして,「ヤ」[ㅑ]がなぜ母音? 「ヤ」は「ya」なので子音+母音なのでは?? 同じく,母音(4)[여]も(6)[ㅛ]も(8)[ㅠ]も母音とは言えないのでは???
ということですよね。 これに対する「さぁね~」さんの回答なのですが,正直なところ,私も意味がよく分かりません。 ただ,「母音が拗音になるから」という書き方から推測すると, 「日本語ではアは母音,ヤは拗音として区別するが,韓国語ではどちらも母音扱いするのであって,日韓の違いは単に気分の問題だ」 と言いたいのでしょうか。
仮にそうだとすると,回答としては少しずれている気がします。 元々の問いかけは「yは子音のハズなのに何故母音扱いか」ということなのですから,日本語に拗音があると指摘したところで,本質的な説明になっていないようにも思われます。 ただ,なにしろ回答があまりにも簡潔なので,真意がよくくみ取れずにいます。「さぁね~」さんに補足説明をお願いしたいところです。
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Re: 自問自答の答え ( No.4 ) |
- 【日時】 2008/01/27 15:54
- 【名前】 うにうに
- で,例の『韓国語の発音』をまた見てみました。
52ページに,ざっとこんなことが書いてあります。
---------- 二重母音「ㅑ」は,単純母音の連結「ㅣㅏ」と発音が似ており,早く発音すると区別しにくいが,ゆっくり発音するとはっきり区別できる。 1つは音節数(中略) もう1つは最初の音である。「ㅣㅏ」の最初の音は明らかに「ㅣ」であるが,「ㅑ」の最初の音は半母音「y」である。(国際音声記号では[j]と書くことになっているが,yで表すことが多い)
半母音は母音的な性格と子音的な性格の両者を持つ。音声学的な特性は単純母音と似ている一方,単独で音節を形成することができない点は子音に近いので,半子音と呼ぶこともある。
英語のy, wは子音として扱われる。yやwの前に不定冠詞が来るときはanではなくaとなる。 ----------
ということで,音声学の専門書を読むと,yやwは母音扱いしているけれども普通の母音とは違う,と書いてあるわけです。 しかし,ハングルの正書法規定ではyaやwaなどは二重母音と書いてありますので,多くの韓国人はyaやwaも母音だと思っているのではないでしょうか。(ああ,でも英語の学習も盛んだから,普通の母音とは違うなぐらいのことは思っているかも知れませんね)
続く。
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Re: 自問自答の答え ( No.5 ) |
- 【日時】 2008/01/27 16:49
- 【名前】 うにうに
- というわけで,yやwは,音声学的には少なくとも純粋な母音とは言い難いし,実際に英語では子音扱いしている。日本語でも母音といえばアイウエオのことであってヤユヨワなどは含まない。
しかし,彼らの意識ではどうやら母音の仲間と考えているらしい。 そこで,最初の疑問に戻って,なぜ彼らは母音扱いしているのか,自分なりに推測してみました。
理論的には,yやwを前の子音の方にくっつけて,「ky」とか「pw」といった子音字を作って,母音の方はㅏㅓㅗㅜㅡㅣといった「単純母音」だけにしても構わなかったわけですよね。 (つまり,たとえばk系列でいうと,ㄱㅋㄲの他にもう2種類ぐらいつくるわけです) しかし,世宗大王はそうしなかった。 ハングルが制定された当初から,yやwはその直後の母音とくっつけて,中声として表現されていました。
セジョン大王のもと,集賢殿につどった当時の学者たちは,周辺諸国の言語や文字体系についてずいぶん勉強したといいます。 中でも,中国語の音韻学からはかなりのものを学んだのでしょう。 訓民正音の中に出てくる「牙音」「喉音」などの術語にもその影響が感じられます。 とすると,yやwを子音扱いしなかったのは,中国の音韻学の伝統にならったためとは考えられないでしょうか。
中国では,1音節(=漢字1文字)の発音を分析して「声母(子音)+介音+主要母音+尾音」と分けて呼んできました。 声母は朝鮮語の初声,介音と主要母音は中声,尾音は終声(パッチム)に相当します。 このうち「介音」には,i, u, üの3つがあります。
たとえば,快(kuai)なら,「声母k+介音u+主要母音ai+尾音なし」 叫(jiao)なら,「声母j+介音i+主要母音ao+尾音なし」 東(dong)なら,「声母d+介音なし+主要母音o+尾音ng」 江(jiang)なら,「声母j+介音i+主要母音a+尾音ng」 といった具合です。 介音だけあって主要母音がないときは,便宜上,介音を主要母音扱いすることもあります。 例えば,日(ri)「声母r+介音なし+主要母音i+尾音」
(ちなみに現代中国語では尾音はnとngしかありませんが,古代中国語や,現代でも広東語などでは他にp, t, kがあります。朝鮮語の漢字音にもその名残が見られますね)
ところで,「声母(子音)+介音+主要母音+尾音」のうち,後ろの3つをまとめた(さらには声調の違いも区別した)ものを「韻母」と呼びます。 漢和辞典を引くと,その文字がどの韻母のグループに属するかが記されていて,漢詩を作るときの参考にしたりします。 つまり,快(kuai)なら,「声母k+韻母uai」,江(jiang)なら「声母j+韻母iang」です。
おそらく,ハングルの「y+単純母音」や「w+単純母音」が,yやwを切り離さないで中声の一部として表されているのには,こういった漢字音の分析方法の影響があるのではないでしょうか。
ところで,新たな(というか個人的には前から思っていた)疑問ですが, yが入った文字は当初から,1つの母音文字だけで表せる基本母音11字(ㅏㅑㅓㅕㅗㅛㅜㅠㅡㅣㆍ)として扱われていた一方,w系列は「二字合書」(ㅗ+ㅏ=ㅘなど)だったのはなぜでしょうね。 単に全部基本文字にすると,数が多くなるから? だとしたら,なぜy系列のほうが「優先」されたのだろう? ハングルって,なんだか奥が深いです。
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Re: 自問自答の答え ( No.6 ) |
- 【日時】 2008/01/27 23:29
- 【名前】 kajiritate webmaster
- anneさん,うにうにさん,書き込みありがとうございます!(^^)
博識なだけでなく,いつも的確で分かりやすい説明をしてくださるうにうにさんには本当に頭がさがります.ありがとうございます.m(__)m
ヤはyaで子音+母音なのになぜ야は母音扱いなのか?という点は,私もanneさんと同じくサラっと流してしまって,今までかえりみることがありませんでした...(^^;
うにうにさんの説明を読んで,何か自分でも考えるための手がかりがないか探ってみようと,カナの半母音を五十音の表形式にするのになぞらえて
aiueo yヤ□ユ□ヨ wワヰ□ヱヲ
ハングルで上のような表を作るとどうなるかやってみました.
아이우으에애오어 y야□유□예얘요여 w와위□□웨왜□워
結果,외と의の2つ以外の母音字は表に収まりました! w系列でw相当の母音字がㅗだったりㅜだったりするのは母音調和のためだと思います. 외も今では웨や왜と同じく3つとも웨と発音されているようですので, 表からはみ出るのは結局의だけなのかもしれません.
表を見続けていると,合成母音はw系列の半母音とエの音を書き表すためにあるように思えてきました…
で,結論は何かと申しますと,よけいに考えがまとまらなくなり,うにうにさんが最後にお書きになった疑問だけでなく,야がなぜ母音か?という自分の疑問にも何の答えも出せませんでした…すみません! (^^;;;
機会があればまた考えてみようと思いますが,恥ずかしながら考えるための基礎知識がまだまだ不足しているようです.
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